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根本硝子工芸様

複雑なカットが施された茶の湯の水指(みずさし)

黄綬褒章を受章された先代の忘れ形見
多様な彫りを自在にあやつる卓越した技術

先代の根本幸雄氏は、平成21年に黄綬褒章を受章された偉大な伝統工芸士でした。
作品製作に対する真摯な姿勢は、茶の湯の道具である水指(みずさし)を作るために、わざわざ茶道を習得したという逸話でも窺い知ることが出来ます。

この水指は、水面が作り出す複雑な表情を切子で表現した逸品ですが、優れているのはデザインだけありません。
水指として実際に使うことを考えて、あまり重くならないように、全体に薄く仕上がるように計算されています。

「職人は独りよがりじゃいかん」という先代の思いが込められた世界でたった一つの名品です。

「ひまわり」と銘を打たれた大皿

ガラスは素材自体が高価
どうしても製品が高くなってしまう

江戸切子の工房では、基になるガラス素地は作らずに、他の工房で型吹きで作られたものなどを使用するため、どうしても原価が高くなってしまいます。ガラス素地は、大きなものほど高価となるため、大柄な作品は当然それ相応の金額となります。
大ぶりな江戸切子製品は、見栄えもよく贈り物には最適ですが、庶民の日常使いとしては中々手が届く物ではないというのが現状です。

大事に使えば一生物の江戸切子の大皿。大事な方への贈り物にしてみたいものです。

鮮やかな色合いのクリスタルガラスの皿

酸磨きだけでは済まさない
そこから更に磨きをかけるこだわり

江戸切子の素材は、主にソーダガラスとクリスタルガラスです。

ソーダガラスは、窓ガラスや食器にも多く用いられるごく一般的なガラスで、原料に炭酸ナトリウムを含むため、そう呼ばれるようになりました。

クリスタルガラスは、ソーダガラスに比べて屈折率が大きく、輝きがあるため、高級食器や装飾品に用いられています。原料に酸化鉛を24%以上含むものを一般的にこう呼びます。
クリスタルガラスは鉛を多く含むので、指で弾くと甲高く澄んだ金属音が響くのが大きな特徴です。

江戸切子にクリスタルガラスを使用した場合、磨きは「酸磨き」といって、硫酸などを含む液体に浸けてガラスの表面を溶かして仕上げる方法で行います。
現在ではコスト面からも、外注による酸磨きで仕上げることが多くなっているのが現状ですが、根本硝子工芸様では、外注で酸磨きを施した製品を再度工房に戻し、最後の仕上げ磨きを人の手で行っているのです。

最終仕上げを人の手で行ったクリスタルガラスの表面は、よりいっそう輝きを増します。

斬新な印象の黒江戸切子のグラス

黒は色が透けないから難しい
どこか新しさを感じさせるオールドグラス

被せ(きせ)ガラスは、電球の明かりを頼りにガラスの内側から透かして見ながらカットを施します。
そのため、光を通さない黒色の被せガラスは、割り出し線の確認がしづらく、他の色に比べてカットが格段に難しいのです。

根本硝子工芸様では、一段とカットが難しいこの黒江戸切子も多く扱っていらっしゃいます。
ショーケースにきれいに並べられた多くの江戸切子の中でも、黒江戸切子はどこか斬新でモダンな雰囲気を漂わせています。

矢来と魚子(ななこ)のぐい呑み

先代が残した貴重なぐい呑み
薩摩切子復活に貢献した確かな技と知識

先代の根本幸雄氏は、薩摩切子の「100年ぶりの復活」に多大な貢献をされた影の功労者でもありました。

江戸時代の末期、島津家の強力な後押しを受けて隆盛期を迎えた薩摩切子は、残念ながら幕末の混乱期に消滅してしまいました。
1980年代に入ると、鹿児島では薩摩切子復興の気運が高まりました。そこで鹿児島に招かれた技術者が幸雄氏の教え子だったのです。

その後、色ガラスの研究にまつわるたくさんの方々の努力の甲斐あって、薩摩切子は見事に復活を果たしました。
このぐい呑みは、幸雄氏の薩摩切子にも通じる技の一端をうかがえる一品として、根本硝子工芸様のショーケースに大事に飾られています。

少し黄色がかった温かみのあるグラス

蛍光管を再利用してできたグラス
ガラスは地球に優しい素材です

現在国内では、年間4億本の蛍光管が廃棄され、そのうち85%以上が埋め立て処理され土壌の水銀汚染化が懸念されています。
完全水銀無害化処理された再生ガラスを使うことにより、安全で環境にやさしいグラスを製造することが出来ました。
また、リサイクルガラス特有の色や小さな気泡もあえて取り除かず、温かみあるデザインとして生かしています。

グラスの制作は、江戸硝子伝統工芸士により、手作りで1つひとつ丹誠込めて行われています。

-松徳ガラス様 e-Glassシリーズより-

【工房紹介】

根本硝子工芸

〒136-0071
東京都江東区亀戸8-9-4

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