東京銀器とは
東京銀器の概要
1.東京銀器とは
東京銀器は、台東区や荒川区を中心とした、主に東京都で作られている金属工芸品です。原材料の銀は、その加工のしやすさから、古来より様々な日用品に用いられてきましたが、江戸の職人の技によって洗練された銀器は、日本を代表する伝統工芸品として、現在でも広く世界中で愛されています。
2.東京銀器の特徴
東京銀器の特徴は、銀の持つ独特の輝きと、見事な職人の技によって施される伝統文様によって生み出される、その優美な表情にあります。
東京銀器の材料
1.銀
地金の銀の純度は92.5%以上と指定されています。
銀は、他のどの金属よりも熱効率が高いので、手に持った時の温かみが違います。
銀は光の反射率も非常に高いので、その表面は独特の輝きを放ちます。
そしてもう一つ、銀は硫化によって様々に色を変化させる性質を持ちます。この性質を利用して、銀の表面に様々な色を纏わせる金古美(きんふるび)という仕上げ方法があります。
東京銀器の歴史
1.はじまり
江戸時代中期、銀師(しろがねし)と呼ばれる銀器職人やお神輿の金具などを作る金工師と呼ばれる飾り職人が現れたことがで、多彩な作品が生み出されたことが東京銀器のはじまりでした。
2.発展
1867年にパリで開催された万国博覧会では、日本の銀製品の高い芸術性と優れた技術が世界に認められ、大変な人気を博しました。
その後に欧米の技術が流入したことで、日本の銀製品は更なる多様性を獲得し、それまでになかったスタイルの銀製品が多数作られるようになりました。
3.国の伝統的工芸品に指定
1979年、東京銀器は通産大臣(現経済産業大臣)より伝統的工芸品に指定されました。
4.現在
現在では、アクセサリ―を中心とした人気が中心ですが、銀という素材が無害でアレルギーを引き起こしにくいことから、日用品としての銀製品が見直されつつあります。