インタビュー
竿中 中台泰夫様
〈プロフィール〉
中台泰夫 Yasuo Nakadai
昭和34年 千葉県千葉市生まれ
昭和51年 千葉県松戸市の竿かづ工房に入門
平成13年 独立して千葉県市川市に工房を構え、「竿中」を名乗る。
伝統的な小継ぎのマブナ竿から、現代風の渓流用フライロッドまでを手がける若き和竿師。伝統的な製法をしっかりと継承しつつ、時代に合った新しい製品を生み出す姿勢も合わせ持つ。
インタビュー【動画】
Q.このお仕事を始められたきっかけを教えていただけますか?
中台氏:釣りは幼い頃からやっていまして、それが引き金と言えばそうですが・・・。釣りや自転車、山歩きで自然に親しむ中で、竹が一番好きだったということがこの仕事を始めた大きな要因ですかね。生えている竹が風にそよぐ姿を見て、「あぁ、いいな~」と思っていました。
それから、年頃になって何かやろうと考えた時、あちこち探しているうちに親方に巡り合って、弟子入りしました。25年間修行させてもらって、師匠の引退に合わせて2001年に独立して、今年で16年経ちました。
Q.修行中のエピソードを教えていただけますか?
中台氏:まあ、出来の悪い方だと思いますね(笑)同じ年代がいなくて、先輩弟子が二人いまして、まあ色々と教わりました。
Q.江戸和竿の最大の魅力を教えていただけますか??
中台氏:まず、いろいろな竹を使うということですね。それから、継ぎ竿と言って、竹を組み合わせて継いでいくんですが、調子を作ったり、その人によって合わせてオーダーメイドで作ったりするのが江戸和竿の特色ですね。
それとは全く逆の意味で、1本の生えている竹が素晴らしい形をしていて、いい具合の調子の場合、そのまま1本の竿に使えるというのも江戸和竿の面白いところです。
Q.今後取り組んで行きたいことはございますか?
中台氏:江戸和竿の技法に「手拭き漆」といって、指で漆を塗るというのがあるんですが、これは他の漆工芸にはない独特の方法ですから、これを後世に残していきたいですね。